バイリンガルへの道

子どもをバイリンガルに育てるには多くの方法があります。ある一つの方法がベスト、というわけではありません。

いちばん合った方法を選ぶためには、「調和のとれたバイリンガル (harmonious bilingualism)」を育てるための3つの柱に従うとよいでしょう。「調和のとれたバイリンガル」という考え方は、どうすればより幸福 (ウェルビーイング、well-being)に2つの言語を習得できるかということに重点が置かれて出てきた考え方です。

1. 子どもと一緒にいる大人
子どもと一緒にいる大人にとって、子どもとコミュニケーションをとる時間が居心地の良いものであることは大切です。一つの言語だけで話そうとすると、難しいと感じる方もいるかもしれません。その言語だけで話さなければいけないと考えると、別の言語を使った場合よりも、子どもに話しかける頻度が少なくなってしまうかもしれません。一人の大人は片方の言語だけでしか話してはいけない、などどこだわりすぎず、大人が心置きなく会話できる言語で話すのがいちばんです。

2.  質と量
「毎日」「子どもにとって意味のある、双方向のコミュニケーション」で、それぞれの言語を使う必要があります。一つの言語で毎日テレビを見たとしても、十分とは言えません(質が低い)。別の言語で週に1時間ベビーシッターさんとコミュニケーションしたとしても、これも十分とは言えません(量が少ない)。それぞれの言語を、言語を学ぶために効果的な状況で、頻繁に使うのがいちばんです。

3. 子ども
子どもにはプレッシャーをかけず、自由にそれぞれの言語を学べるようにしてあげましょう。大人が、一方の言語で返事をしてほしいと思っていても、子どもはいつも別の言語を使うことがあるかもしれません。それはその方が、恐らくその子どもにとって楽で心地良いからです。楽しい活動を通じて、それぞれの言語への親しみを育んでいくことが大切です。それでもやっぱり、両方の言語をしっかり学んでほしいと思う方もいるでしょう。この点に関しては、次回のコミックにてお話しします!

まわりの大人、それぞれの言語を使うときの量と質、そして子ども、という3つの要素を考えると、それぞれの家庭でバイリンガルを育てる方法は異なってくるでしょう。さらに、同じ家庭でも、時間が経つにつれて方法が変わっていくかもしれません。大切なのは「調和がとれた状態」です。ストレスがたまり、プレッシャーのかかる状況は、学び(と健康)に大きな悪影響を及ぼす可能性があります。ぜひ、自分たちにいちばん合ったオーダーメイドの方法を探してみてください!

科学的な参考資料:

De Houwer, A. (2020). Harmonious Bilingualism: Well-being for families in bilingual settings.   Handbook of home language maintenance and development, 63, 83.

Sander-Montant A., Di Flumeri E., Necsa B. & Byers-Heinlein, K. (2020, July 6-9). Do all roads lead to bilingualism?. Virtual International Congress of Infant Studies.