ろう児に本を読むとき、読み書きの力を育てるにはどうしたら良いですか?

子どもに本を読むことは、将来の読み書きの力の土台を楽しく作る、素晴らしい方法です!読み聞かせは、手話もしくは話し言葉と、(本に書かれた) 書き言葉とをつなげる良い機会になります。

ろうの子どもに本を読むときには、書き言葉と手話を結びつけることが大切です。こうすることで、①語彙 (手話)、②文字がどのような形なのか (書き言葉)、そして③どのように書き言葉をつづるのか (指文字) をつなぐ三角形を作ることができます。この3点についてもう少し詳しく見てみましょう。

語彙:手話と意味を結びつけます。たとえば「犬」の手話をして、本で犬の絵を指差してみるといったやり方が考えられます。

文字:手話と書き言葉を結びつけます。手話をして、そのあとにその語に対応する本の文字を指差すと良いですね。

つづり:手話と指文字とを結びつけます。それぞれの文字を表す指文字 (こちらをご参照ください) を使い、単語をつづります。手話をして、そのあとにそれを表す指文字を教えてみると良いかもしれません。

これらの3点は、読み書きの三角形の中で同じくらい大事ですので、①〜③のどれから始めても大丈夫です。好きな本 (ご自分が子どものときに好きだった本でも良いですね) を選んで、リラックスした、でもたくさんのことが学べる読書タイムを始めてみてはいかがでしょうか。

科学的な参考資料:

Berke, M. (2013). Reading books with young deaf children: Strategies for mediating between American Sign Language and English. Journal of Deaf Studies and Deaf Education, 18(3), 299-311.

Schleper, D. R. (1995). Reading to deaf children: Learning from Deaf adults. Perspectives in Education and Deafness, 13, 4-9.