赤ちゃんに触れることは、言語習得にどのように役立つのですか?
子どもたちは、ことばを学ぶためにあらゆる感覚情報を活用します。たとえば「触覚」は、相対的にゆっくり発達する「視覚」や「聴覚」に比べて、発達のかなり初期から子どもが利用できる感覚だといわれています。
触覚は、子どもが新しいことばを覚えるのに役立ちます。実際に、子どもたちが最初に覚える語彙のなかには、触覚による手がかりを伴うものがいくらか含まれています。たとえば、「鼻」について話すとき、養育者は子どもの鼻にちょんと触れながら「オハナ」と発話することがあります。身体部位が子どもの初期の語彙によく現れるのは、このような触覚と聴覚の組み合わせによるものだと考えられています。
また、触覚は、言語習得のほかの側面にも役立っていることが知られています。
たとえば、子どもたちはある特定の単語の意味を知るよりも前に、単語を構成する音の始まりと終わりを突き止める必要があります (例:「Asagohanotabeyone」のような発話の流れを「Asa/gohan/o/tabe/yo/ne」のように区切ること)。あなたが知らない言語を聴いている (または知らない手話を見ている) 場面を想像してみてください。それぞれの単語がどこで開始・終了するのかを知ることは、ある程度の練習をしないとほとんど不可能なのではないでしょうか。このような場面で、触覚は文中の単語を区切ることに役立つことがあります。ひとつ具体例を挙げましょう。「きらきら星♪」を歌うときに、養育者は「星」と発話するタイミングに合わせて、とんとんと子どもの手に軽く触れるかもしれません。このように、ある音や手話への注意を促すような触覚刺激が歌を聴いたり見たりするたびに与えられることによって、子どもは「ホシ」という音がひとつの単語なのだと気づきやすくなります。
言語習得は、「多感覚を伴う冒険」だといえます。あなたにとって一番自然なやり方で、いろいろな感覚をブレンドしてみてくださいね!
科学的な参考資料: