お話を聞いてイメージを膨らませる力を育むにはどうしたらよいでしょうか?

「読む」ことは一見すると、音を文字に置き換えていくのと同じように思うかもしれません。しかし、読むことには「視覚的にイメージすること」といった別の力も必要になります。たとえば、映画を見る前にその原作を読んでいたとしましょう。このとき、映画の描写が自分の想像と違っていて驚くこともあると思います。このように、私たちは物語を読むとき、登場人物や背景、動作などを視覚的に想像しています。

子どもも、お話を聞くときには、ことばや今までに本で見た絵をもとにして、物語の内容を頭のなかで視覚化する力を身につけていきます。ことばの描写や連なりから登場人物や情景、動作などをイメージするようになっていきます。そういう体験によって、今度は子どもが自分で読むようになったときに、読んでいるものをイメージしやすくなったり、物語を理解するのが早くなったりするのです。

このような、頭の中でイメージを膨らませる力を育む方法として、お話を実際に絵に描いてみたり、「魔法使いがお城に行ったときは寒かったのかな?」「どうして魔法使いは帽子を被っていたのかな?」など、物語中の場所や登場人物について質問してみるといったことが挙げられます。視覚的にイメージする力を高めることは、スラスラと簡単に読めるようになることに繋がっていきます。そうすることで、物語を読むことがもっと熱中しやすく、楽しいものになっていくことでしょう。

The scientific sources of our comic:

Agosto, D. (2016). Why storytelling matters. Children and Libraries, 14(2), 21–26. https://doi.org/10.5860/cal.14n2.21

Maureen, I. Y., van der Meij, H., & de Jong, T. (2018). Supporting literacy and digital literacy development in early childhood education using storytelling activities. International Journal of Early Childhood, 50(3), 371-389. https://doi.org/10.1007/s13158-018-0230-z

Caldwell, H., & Moore, B. H. (1991). The art of writing: Drawing as preparation for narrative writing in the primary grades. Studies in Art Education, 32(4), 207-219. https://www.jstor.org/stable/1320873