子ども自身の興味をことばの発達に役立てることはできるのでしょうか?
好きなスポーツチームの成績を調べたり、分厚い料理本のレシピを全て作ったり、世界レベルのガーデニングをする人たちの技術について友達と話したり、といったことに何時間もかけられてしまうときはありますよね。そのとき、人がほぼ知らないようなことについて、細かい部分まで思い出せると思います。それらを習得するのに、努力をしていると感じたことはあったでしょうか。
子どもたちにも、幼い頃から、興味のあるモノとあまり興味のないモノがあります。子どもたちの興味のあるモノを活用するのは、言葉のスキルを育てる上でとても良い方法です。私たち大人は、自分の興味のあること―たとえばスポーツ、料理、ガーデニングなど―についてなら誰かともっと話したくなりますが、子どもたちもそうなのです。もし子どもが犬に興味があると思ったら、犬についての会話を始めてみましょう。公園で見た犬がどんな犬だったか話すのもいいし、犬のキャラクターが登場する本を読んでもよいでしょう。特に考えずに話題を振るよりも、大好きなものについて話をする方が、子どもたちは集中して聞くでしょうし、それらについてもっと知りたがるはずです。いつの間にか、大人が使っている言葉を習得するでしょう。
そして子どもたちは想像以上に、楽しいひとときを過ごすことができるのです!
科学的な参考資料:
Hassinger-Das, B., Toub, T. S., Hirsh-Pasek, K., & Golinkoff, R. M. (2017). A matter of principle: Applying language science to the classroom and beyond. Translational Issues in Psychological Science, 3(1), 5–18. https://doi.org/10.1037/tps0000085
Bloom, L., Tinker, E. (2001) The intentionality model and language acquisition: Engagement, effort, and the essential tension in development. Monographs of the Society for Research in Child Development, 66(4),1-89.
Ackermann, L., Hepach, R., & Mani, N. (2020). Children learn words easier when they are interested in the category to which the word belongs. Developmental Science, 23(3), e12915.