やりとりを通じた発達

赤ちゃんが初めて外界を見る瞬間を想像してみてください。私たちにとってはいつも通りの光景や音も、赤ちゃんにとっては初めてづくしです。外界について学ぶことの多くは、共同注意 (共に同じ対象に注意を向けること) から始まります。ミニカーで遊んだり鳥を見たりするなど、子どもと養育者 (または子ども同士) が一緒になって外界の何らかの対象とやりとりする瞬間は、共同注意が成立している瞬間でもあります。共同注意は、子どもがことばと外界との対応関係を見つけ出すのを助けるという意味で、ズームレンズのような役割を果たします。たとえば、ピクニックで犬とサンドイッチと鳥が見えているとしましょう。このとき、誰かが鳥の方を見たり指差したりすることで、「鳥」ということばを学ぶのがどれだけ簡単になるか考えてみると、共同注意の大切さがわかると思います。

子どもがおもちゃを手に取って、養育者が「ブーブーだね。いいなぁ」と声をかけるような場合、共同注意は子どもから始まって養育者によって完成されます。あるいは、大人が鳥を指差しながら「ほら!かわいい鳥さんだよ」と言い、子どもがそれを見てニコッと笑うような場合には、共同注意は養育者から始まって子どもによって完成されます。子どもから始まる共同注意も、大人から始まる共同注意も、どちらも素晴らしいものです。ぜひ両方を織り交ぜながら子どもと関わってみてください。

共同注意の開始や完了は、見ることや指差すこと、モノを掴むことなどによって生じます。そして、注意を向けている対象に関する何かしらの声かけをすることで、やりとりはさらに発展します。共同注意は、いつでもつくり出すことができ、いつでもそれに参加することができます。したがって、気づかないうちに、すでにあなたは共同注意を生み出しながら子どもと関わっているかもしれません。

さて次回は、ことばを話す前の赤ちゃんとのやりとりについてお話しします。

科学的な参考資料:

Morales, M., Mundy, P., Delgado, C. E., Yale, M., Messinger, D., Neal, R., & Schwartz, H. K. (2000). Responding to joint attention across the 6-through 24-month age period and early language acquisition. Journal of applied developmental psychology, 21(3), 283-298.