ベストスクリーン賞 2020

現代の生活では画面をたくさん見ます。手にはスマホ、職場にはパソコン、地下鉄には映像広告……これを読んでいる今も画面を見ていますね!

画面の使い方には、ただ見るだけという場合と、ゲームやビデオチャットのように「かかわり合う」場合とがあります。

やりとりをすることは言語習得の鍵です。したがって、ご想像の通り、見ている画面にやりとりをする機能があればあるほど、子どものことばの発達に役立ちます。今回のコミックでは、どういった画面の使い方がことばを学ぶのに良いと考えられるか、ランキング形式で発表します。

金賞:テレビ電話 (ビデオチャット)

画面越しにライブで他者とコミュニケーションをとることは、ことばを学ぶという点においては対面でのコミュニケーションとほぼ同じくらいの効果があるといわれています。たとえば、今度の土曜日に、おじいちゃんやおばあちゃんとテレビ電話をしてみるのはいかがでしょうか。テレビ電話なら、このコロナ禍でも安心です。

銀賞:操作に応じて反応が返ってくるソフト

電子書籍、ボタンを押したら音が鳴ったり画面が変わったりするような反応を返してくれるアプリ、あるいはゲームなど、子どもの行動に対して即座に反応するアプリを指します。デバイスと子どもとのかかわり合いには、3歳ごろよりも大きな子どもたちであれば、学びを促す側面があります。もちろん、反応を返してくれればどんなアプリでも良いという意味ではありません。「内容(コンテンツ) 」もとても大事です(前のコミックシリーズを見てください)!

銅賞:録画してある映像 (テレビ,ビデオ,映画)

テレビやビデオをただ見るだけでは、画面を介したやりとりは生まれません。そのため、少なくとも幼児期前半ごろまでの学びには、このような使い方にあまり効果は期待できないでしょう。

画面を見ることをきっぱりやめる必要はありません (し、おそらくそんなことは難しいでしょう)。画面の使い方にはさまざまな種類があることを知り、それらを活用して、他者や世界とのやりとりを豊かに含むような、学びに望ましい環境を作ることが重要です。

科学的な参考文献::

Roseberry, S., Hirsh‐Pasek, K., & Golinkoff, R. M. (2014). Skype me! Socially contingent interactions help toddlers learn language. Child Development, 85(3), 956-970.

Tsuji, S., Jincho, N., Mazuka, R., & Cristia, A. (2020). Communicative cues in the absence of a human interaction partner enhance 12-month-old infants’ word learning. Journal of Experimental Child Psychology, 191, 104740