まるで会話しているかのように

会話などの社会的やりとりには、二人以上のひとが関わります。けれども、そのうち一人がまだことばを話さない赤ちゃんだったら、会話は単なるひとりごとのように感じられるかもしれません。このような場合、養育者はどうやって赤ちゃんのことばの発達を促したらよいのでしょうか。

ひとつの答えは、そのままひとりごとや歌を口ずさむこと、です。

赤ちゃんから見える位置で、養育者が料理をしながら自分がやっていることをひとりごとのようにつぶやくとき、これは社会的やりとりになる可能性を秘めています。ことばを話す前の赤ちゃんでも、養育者の声に対して (ことば以外の方法を使って) 何かしらの反応を返すかもしれないからです。わかりやすいのは、微笑みなどの反応でしょう。わかりにくいかもしれませんが、おしゃぶりを吸う勢いが変わるといった反応が見られる場合もあります (おしゃぶりを吸う頻度は、実際に発達研究者が赤ちゃんの反応を計測するときに使う指標なんです!)。

言語発達の分野における重要な発見のひとつに、ことばを理解するようになる月齢と、ことばを話すようになる月齢とにはギャップがあるということがあります。子どもたちは、生まれて初めてことばを発するよりも以前に、ことばに関するたくさんのことを理解しています。たとえば、生後6ヶ月の赤ちゃんの多くは、「ママ」「足」「哺乳瓶」といったいくらかのことばをすでに知っています。ですから、わかりやすい反応をまったく (またはほとんど) 示さなかったとしても、子どもはあなたのひとりごとに熱心に注意を向けている可能性が高いのです。大人のひとりごとは、ことばの発達の素晴らしい土台になります。

ひとりごとをつぶやいたり歌を口ずさんだりするとき、あなたは熱心な言語学習者の前でステージに立っているのだといえるでしょう。

科学的な参考資料:

Weisleder, A., & Fernald, A. (2013). Talking to children matters: Early language experience strengthens processing and builds vocabulary. Psychological science, 24(11), 2143-2152.