教育アプリは本当に「教育的」なのですか?

おもちゃやゲーム、子ども用のアプリを売る際、教育の分野は大きな市場です。しかし、何をもって「教育的」だと言えるのかについては、今までほとんど考えられてきませんでした。製品に「教育」と銘打たれていると、確かな科学的知見にもとづいて造られたのだろうと思ってしまいます。しかし、実際のところ、教育カテゴリーに並べられている製品の中には、「エンターテイメント」カテゴリーにあるものと同じくらいの教育効果しかないものも含まれています。

特にアプリを選ぶときは、気が遠くなるほど選択肢が多いですよね。そこで、アプリの教育的効果を評価するのに使える、科学に基づいたチェックリストを作ってみました。チェックポイントは4つです。それでは見ていきましょう!

①能動的な関与があるか (Active involvement)
子どもが自分からコンテンツに関わることができると、単に受動的に聞いたり見たりするだけでは得られない学習効果が得られる可能性があります(「ある一日 (ア・デイ・イン・ザ・ライフ)」をご参照ください)。子どもがよく考えて行動する必要がある内容 (たとえば、図形を対応する穴に入れるゲームや、子どもが質問に答えるゲームなど) であれば、能動的だと言えるでしょう。

②内容だけに集中できるか (Engagement)
一つの課題に集中できることは、学びの重要なスタート地点となります。そうすることで、子どもは新しく出会った事柄に集中して取り組むことができるからです。頭の中を整理しながら、現在進行中の課題に集中できる設計のアプリは、内容と関係のない画像が出てきたり、注意を削いでしまうような大きな音が鳴ったりするアプリよりも学習効果が高いと思われます。

③子どもにとって意味があるか (meaningfulness)
新しい物事を、子ども自身の経験や日常生活と結びつけられるアプリだと、子どもは学んでいること同士のつながりを見つけやすくなります。新しく学んだ内容と、子どもがすでに知っている・見たことのあるものとを結びつけることで、子どもは知識を身につけ、自分で使えるようになると期待されます。

④他者との交流があるか (Social interaction)
周りの大人や友達とのコミュニケーションは、子どもの学びの土台になります (「やりとりを通じた発達」をご参照ください)。他者と一緒にアプリを見ることを促し、周りの人との交流ができるアプリ (次回さらに詳しくご説明します。お楽しみに!)だと理想的でしょう。それが難しければ、アプリ内にキャラクターやアバターが登場し、子どもがそれらとコミュニケーションできるようなものが好ましいと思われます。

これらのチェックリストからわかるように、子どもの言葉の発達を助けるときに大人が重視すると良いポイントは、そのまま、本当に教育的なアプリを選ぶときにも使うことができるのです!

科学的な参考文献:

Hirsh-Pasek, K., Zosh, J. M., Golinkoff, R. M., Gray, J. H., Robb, M. B., & Kaufman, J. (2015). Putting education in “educational” apps: Lessons from the science of learning. Psychological Science in the Public Interest, 16(1), 3-34.