スクリーンを見ている時間をより有意義な学びの時間にするにはどうしたらよいですか?

スクリーンを使った遊びは、飽きないようにコンテンツが登場するなど、子どもにとって魅力的になるようにつくられています。たとえば、別の方法で見せたら退屈そうにしていた内容やトピックでも、動画を見ているうちにハマってしまうことがあります。スクリーンを使った学びと、スクリーンを使っていない学びを、それぞれを補い合いながら用いることで、スクリーンを見ている時間をより有意義なものにすることができるでしょう。

これまでのコミックでも紹介してきたように、子どもと一緒にスクリーンを見ることで、画面内の世界と実際の世界の橋渡しをすることができます (たとえば「子どもはテレビを観ることから何かを学ぶことができるのでしょうか?」をご覧ください!)。この「一緒に見る」(co-viewing) ことを活用すれば、前回紹介した「アプリを選ぶときの4つのポイント」(能動的に関わることができる、目の前のことに集中できる、子どもにとって意味がある、人と交流できる) をスクリーンを見る時間のなかに取り入れることができます。たとえば、ガーデニングするアプリを一緒に見ることに加えて、種を買ってきて家で実際に植物を育てることで、アプリがもっと「子どもにとって有意味」になります。

もちろん、子どもがスクリーンで遊んでいるときにずっと一緒にそれを見ていたら、忙しい大人は時間がなくなってしまいます。しかし、スクリーンを一緒に見るのは、必ずしも現実世界をよく知っている大人たちでなければならない、ということではありません。友達と一緒に見るのでも良いのです。子どもが友達から学べる、という報告はたくさんありますし、誰かと一緒に学ぶことには利点があります。最近では、まだ言葉を話さない赤ちゃんでさえ、別の子どもがスクリーンで学ぶ時間の教育的価値を高めることができるという新しい報告がありました。これは一つの特定のスクリーン環境でしか確かめられていないため、まだはっきりとした結論を導くには時期尚早ですが、この新しい研究の最先端の状況については、定期的にお知らせしたいと思います!

科学的な参考文献:

Lytle, S. R., Garcia-Sierra, A., & Kuhl, P. K. (2018). Two are better than one: Infant language learning from video improves in the presence of peers. Proceedings of the National Academy of Sciences, 115(40), 9859-9866.

Hanna, E., & Meltzoff, A.N. (1993) Peer imitation by toddlers in laboratory, home, and daycare contexts: Implications for social learning and memory. Developmental Psychology, 29, 701–710.